建築用エッチングガラスをメインに制作していますが、少し変わった制作事例をご紹介します。
40年以上前のエッチングガラスが破損してしまったとの事で、修復(複製)の依頼を受けました。
エッチングガラスは、彫り手は勿論の事、砂の番手、酸のかけ方似よっても表情が変わって来ます。割れてしまったのが、扉の片側のみなので、当初は両方作り直すか迷いましたが、割れた方のみ複製する事にしました。
割れたガラスを見ながら、当初の彫り方を忠実に再現して行きました。
違和感なく設置出来、施主様にも大変喜んでいただけました。
こちらは、1910年頃のフランスアンティークのエッチングガラス です。
レストランのドアに付いていた物ですが、破損してしまいました。
このガラスは現在の彫刻ガラスとは製造方法が違います。
絵柄をパラフィンなどの保護膜で覆ったのちに、フッ化水素と硫酸の混合液に浸し、ガラスの表面を腐食させて装飾(食刻)して行く酸化腐食彫といわれる技法です。(本来エッチングガラスとはこのアシットエッチングの事をいいます)
そのため、すりガラス程度の濃淡によってのみ、絵柄が表現されています。
ただ、アンティークなため、長年の黄ばみや変色などが、かえっていい味を出しています。
これを現代の技法でも似せた感じには複製できますが、黄ばみなどの風合いまでは再現出来ない為、ガラスが真新しい分、薄っぺらい雰囲気になりがちなのと、右下部分のガラスが無くなってしまっており、この部分の絵柄は想像になってしまう事、また、このガラスは、傷か何かが入ったのを隠すため後年にサンドブラスト技法で加飾された部分があり、少し絵が不自然に見える事などから、施主様もどうせ作り直すなら今風なエッチングでという事になり、絵柄のみ参考にして現在の技法で作り直しました。
ヤギというサンゴの一種に非常に思い入れのある方からのご依頼で
人生の集大成としての暮石に、このヤギを使いたいとの事、当初暮石会社の担当者の方は
樹脂での封入を考えましたが屋外に設置する物なので、紫外線で恐らく数年で変色劣化してしまうだろうとの事で相談を受けました。
そこで、数枚のガラス板にそれぞれヤギをリアルに彫刻し非常に耐光性の強い塗料でやはりリアルに着色。その後接着積層しました。重なり合うヤギの枝があたかも本物のヤギがガラスに閉じ込められているように仕上げました。
こちらも暮石のガラスです。
思い入れのある神津島赤崎遊歩道を暮石に刻みたいと当初、ガラスにこの、赤崎遊歩道の写真を写真製版でエッチングして設置した所、全く目立たないとの事で、なんとか、もっといい表現方法はないかと相談を受けました。
写真製版とは網点処理した写真をガラスに転写する方法で、(小さな点々で表現される昔の新聞の写真のような感じです)記念品などのノベルティにはよく使われますが、暮石自体が白っぽい石で、目立たない上、暮石ガラスに写真製版では印象が弱すぎると思いましたので
上で紹介した方法と同じ方法で制作してみました。
最近、強化ガラスをコーキングの代わりに強力な接着剤を使い固定した、ガラスをはずせない仕様の建具を時々見かけます。
ガラスの交換を想定していないようです。割れないガラスドアというのがウリなのでしょう。
以前、「強化ガラスって絶対割れないんですよね?銃弾も通さないんですよね?」
と言うお客様がいらっしゃましたが、(それは、防弾ガラスというのでは・・・)
いいえ強化ガラスでも割れます。
強化ガラスの強度は普通のガラスの3〜5倍程度の強度です。
このような、ガラスを取り外せない建具でもエッチング可能です。
その場合、ドアごとお預かりしガラス以外の部分を養生して加工します。
このようなドア、万が一ガラスが割れたしまった場合どうするのですか?とハウスメーカーの方に聞いた所、「ドアごと交換ですね〜」との事でした。
これは、BMWのリアウインドーです。
こんなの彫ったの始めてです。
ご依頼があれば、どんな物にでもエッチング致します。
ガラス以外の素材にエッチング(サンドブラスト)した物です。
金属(ステンレスヘアライン)に野いちごをエッチングしました。
ラバーストーン(溶岩石)にエッチングホワイト着色
木(古材)にエッチングブラック着色
エレキギターに英字新聞の柄をサンドブラスト後ブラックで塗装しました。
何の変哲もない白のギターが、世界に1台オリジナルギターに変身!